日本で有名なラーメン店『一風堂(IPPUDO』のニューヨーク・ウエストサイド店を紹介します。
一風堂(IPPUDO)とは
『一風堂』は、株式会社力の源カンパニーが展開する豚骨ラーメンのチェーン店です。
発祥は福岡県、1985年に1号店である「博多一風堂」をオープンし、その後は東京でも店舗を拡大し全国展開となる。2017年にマザーズに上場、2018年には東証一部(現プライム市場)に移行した。
今も続く定番商品の「白丸元味」と「赤丸新味」は1995年に発売された。
海外展開にも積極的で、2008年に海外1号店となる「IPPUDO NY East Village店」をニューヨークにオープン。その後も海外出店が続き、2011年にはニューヨーク2号店であり、今回訪問する「WEST SIDE店」をオープンした。
現在は『Ramen』として海外やニューヨークでも定着しており人気グルメとなっている。
日本におけるラーメン屋は「食べたらすぐ帰る」というイメージですが、海外では「居酒屋」や「BAR」の色合いが強い「ダイニングラーメン」という業態になっているのが特徴で、前菜と一緒にワインやビールを飲みながらラーメンを食べるのがニューヨーク流となっている。
とはいえ、日本と同じようにラーメンだけを食べて帰る人も普通にいるのであまり気にする必要はありません。ラーメンを食べるだけなら日本でも十分ですが、日本との違いを楽しむという観点からも一度訪れてみることをおすすめします。
アクセス
店舗 | IPPUDO WESTSIDE |
住所 | 321 W51st St, NewYork, NY |
最寄り駅 | 50 St駅 7 Av駅 |
営業時間 | 11:30〜23:00 ※曜日により若干異なる |
HP | 公式HP |
お店レポート
お店の場所
『一風堂 ウエストサイド店』はミッドタウンのウエスト51丁目ストリート(321 West 51st St)にある。
日本でもおなじみの『一風堂』の看板が目印です。
歩道から少し降りた場所にあるので見過ごさないように気をつけましょう。
店内の雰囲気
ウエイティングエリアはこのようにシックなバーになっています。
今はランチタイムですが、ディナータイムになると待ち時間はここでお酒を飲みながら席が空くのを待ったりするそうです。日本人がイメージするラーメン屋の形態とは異なり、バーやレストランのような感じです。
アサヒビールやサッポロビールなど日本でおなじみのビールのサーバーがあります。奥には日本酒なども。
カウンターの上には一風堂が出店してきた沿革が飾られています。
(店舗名と西暦が1985年から2007年まで列挙されています)
※ニューヨーク1号店は2008年に出店。
こちらはカウンター席になります。
椅子が看板商品の白丸・赤丸を意識した白と赤の色になっています。
店内は綺麗で清潔感があります。
店の奥はテーブル席になっています。
大人数で来る場合はテーブル席の方が良いかも。かなり賑やかだったので今回はカウンター席を選びました。
ラーメンを注文
QRコードを読み込むとメニューが表示されるので、それを見て口頭で注文します。
今回は定番メニューの白丸と赤丸を頼みました。
注文時に「Yawa?Kata?」と麺の硬さを聞かれます。
白丸は柔らか麺、赤丸は硬い麺でお願いしました。
こちらが白丸元味(SHIROMARU MOTOAJI)
20米ドル(2023年9月時点)
創業当時の味を引き継ぐ、一風堂の豚骨ラーメンの本流であり原点となる味。
日本と同じラーメンがニューヨークでも出てくるのは新鮮です。
こちらは赤丸新味(AKAMARU SHINAJI)
21米ドル(2023年9月時点)
あっさり目な白丸に対して、コクがあるのが赤丸です。
替え玉も健在
博多ラーメンには『替え玉』という麺だけを追加する注文方法がありニューヨークの一風堂でも健在です。
メニューには『KAEDAMA』という項目があり、
「order by saying “Kae-dama, please”(替え玉くださいと言って注文してください」と書かれています。
人によっては抵抗があるかもしれませんが、博多ラーメンの替え玉文化がニューヨークでも実施されていることを体験する為に試してみるのも良いと思います(お腹に余裕があれば)
「Kaedama? OK! Yawa? Kata?」と麺の硬さをあらためて聞かれるので、最初と違う硬さを頼んで違いを楽しむのも良いと思います。
このような感じで『替え玉』が出てきます。
知らない方のために補足しておくと、スープは追加されないので替え玉を検討している場合はスープは残しておいてくださいね。
アメリカンサイズという感じではないので、1杯目と同じ量が食べれると思ったら注文しても良いと思います。
お会計
時事ネタ的な内容になりますが、最近「ニューヨークはラーメン1杯3,000円」というニュースをよく聞くので「一風堂」を例にニューヨークのラーメン価格を検証してみたいと思います。
ニューヨークはラーメン1杯3,000円?
今回はランチタイムに白丸と赤丸の単品を1つずつ、替え玉を1玉それぞれ追加しました。
滞在中の為替レートは1ドル150円だったので、そちらで換算しています。
※クレジットカードの為替手数料は考慮しない。
品目 | 価格 | 円換算 |
---|---|---|
Shiromaru Motoaji(白丸) | 20ドル | 3,000円 |
Akamaru Shinaji(赤丸) | 21ドル | 3,150円 |
Kaedama(替え玉)×2 | 6ドル | 900円 |
NY Sales Tax(消費税) | 4.18ドル | 627円 |
Total(合計) | 51.18 | 7,677円 |
消費税を入れると2名で7,677円(1人あたり約3,838円)でした。
今回はトッピングやお酒の注文はしていませんが、それらを入れると1万〜1.5万円くらいになると思います。
ここで終わりたいところですが、ニューヨークなので最後にチップがあります。
20%・22%・25%から選べるようになっており、チップ額とトータル額もわかりやすいように表記されています。記載している額以上または以下のチップを払う場合は「CUSTOM TIP」にチェックをしてチップを書き、カウンターに置いて店を出ます。
今回はチップに22%を選択したので、税込み価格 51.18ドルの22%分(10.34ドル)を加算し、会計総額は合計61.52ドル(9,228円)となりました。(1人分なら約4,614円ほど)
日本のラーメンが1,000円〜2,000円程度であることを考えると、2.5倍〜3倍くらいという感じですね。チップの上乗せ分が大きいですが、ドル円が仮に100円だとしたら、ラーメンだけで1人3,076円という計算になります。
なので、ニューヨークのラーメンが1杯3,000円はまさにその通りという結果でした。
まとめ
ニューヨークの滞在期間が長いと塩分が効いた日本食が恋しくなってきますが、そんな時は一風堂に訪れることをおすすめします。日本でおなじみの味が異国でも味わえます。
日本人が想像するラーメン屋と異なり、バーやレストランの色合いが強いニューヨークの一風堂は新鮮なだけでなく、新たな発見をさせてくれます。
一風堂はラーメン屋の「汚い」「匂いがきつい」といった従来のイメージを払拭し、木彫の綺麗な内装や店内でジャズが流れるなど、ラーメン屋のイメージやカルチャーに革命を起こすことで、新たな顧客層を開拓し成功をおさめました。
その成功体験は海外進出におけるグローバル戦略でも活かされています。
「ラーメンを食べたらすぐ帰る」という日本の業態とは異なり、お酒を飲みながら、前菜や一品料理を楽しみ、メインディッシュのラーメンを食べるという新たなカルチャーを作り出し、顧客単価の向上にも成功している。
海外進出をする外食産業がベンチマークにする存在ともなっている一風堂。
ラーメン界のスターバックスを目指すとし、従来の日本の価値観にとらわれず、ラーメンの新しいカルチャーを生み出しながら、積極的な海外展開を続ける『一風堂』の勇姿を目に焼き付けて欲しい。