この記事は「SFC修行をする方」「SFC修行について知りたい方」向けの入門ガイドになります。
SFCとは
まず前提知識としてSFCとは何か?について解説します。
ご存知の方は飛ばしてもらってOKです。
SFCとは「Super Flyers Card(スーパーフライヤーズカード)」の略称です。
スーパーフライヤーズカードとは、ANAの上級会員制度であるプレミアムメンバーのうち「プラチナ」または「ダイヤモンド」のステイタス基準に達した方だけが申し込むことができるクレジットカード機能付きの年会費有料カードのことで、年会費を支払って更新し続ける限り、通常のANAカードにはない様々な特典や優遇を半永久的に受け続けることができます。
SFC入会に必要な条件
スーパーフライヤーズカードを申し込む為に必要なものは次の2点です。
- プラチナ以上のステイタス獲得
- SFCに対応したANAクレジットカード
順番に解説していきます。
プラチナメンバー以上になる
SFCに入会する為の条件としてANAプレミアムメンバーのうちプラチナ以上を取得する必要があります。
ANAプレミアムメンバーとは、日頃からANAの飛行機をよく利用する方向けに付与される上級会員ステイタスの名称です。上級会員になることで様々な特典や優遇サービスを受けることができます。
【特典内容の例】※詳細は後ほど記載
- ANAラウンジの無料利用
- 座席クラスのアップグレード
- 航空券の先行予約
- 優先搭乗のご案内
- 優先チェックインカウンターの利用
- 手荷物預入の条件優遇
※特典内容はステイタスのランクにより異なります。
プラチナなどのステイタスを得るにはANAグループ運航便またはスターアライアンス加盟航空会社の飛行機に有料の航空券で搭乗した際に獲得できる「プレミアムポイント(以下PP)」をステイタス基準まで貯めることで獲得できます。
プレミアムポイントはマイルとの交換で得られる特典航空券などでは付与されず、基本的に有料で購入したフライトでないと獲得することができません。
必要なプレミアムポイント
ステイタス | 年間プレミアムポイント |
---|---|
一般会員 | 30,000PP未満 |
ブロンズ | 30,000PP(うちANAグループ運航便が15,000PP) |
プラチナ | 50,000PP(うちANAグループ運航便が25,000PP) |
ダイヤモンド | 100,000PP(うちANAグループ運航便50,000PP) |
SFCの入会資格はプラチナ会員以上なので、年間50,000ポイント以上を獲得する必要があります。
プレミアムポイントの有効期限は12月31日まで
プラチナ会員になる為には50,000ポイント以上を貯める必要があることがわかりました。
ここで注意が必要なのはプレミアムポイントの有効期限は12月31日までということです。
なので、年を跨いでしまうと貯めたポイントはゼロにリセットされてしまいます。
たとえば、年末の時点で49,800ポイントまで貯めて不足があと200ポイントだけだったとしても、年を跨いでしまうとゼロからのスタートになってしまいプラチナ会員になることができません。
なので、プラチナステイタスを得るには1月1日から12月31日までの間に50,000ポイント以上を獲得する必要があります。
ANAプレミアムポイントの有効期限は年を跨ぐとリセットされます。
1月1日から12月31日までの間に貯めたポイント数で翌年のステイタスが決まります。
プラチナ会員資格も1年間のみ
プレミアムメンバーのステイタスにも有効期限があり原則1年間のみです。
せっかくプラチナ以上を獲得しても、翌年に獲得したプレミアムポイントが基準未満だと翌々年には一般会員に降格してしまいます。一般会員に降格すると、ANAラウンジを利用したり、優先チェックインの利用といった優待サービスも受けられなくなってしまいます。
飛行機に乗る頻度が多く毎年50,000ポイント以上を獲得できる場合はよいですが、毎年確実に達成できるかはわからないという方も多いと思います。できれば搭乗回数や必要ポイントを気にすることなく、ステイタスの優遇特典を受け続ける方法があると良いですよね。
そんな願いを実現するのがSFC(スーパーフライヤーズカード)です。
年会費を支払い続ける限り、プラチナ会員相当の優遇サービスを半永久的に受けることができます。
SFCに対応したANAカードを準備
ANAスーパーフライヤーズカード会員に入会するには、プラチナ以上の資格を獲得している期間中にSFCに対応したANAのクレジットカードとセットで申込みをすることで入会することができます。
SFC年会費一覧
SFCに対応したクレジットカードは8種類あります。
一部のカードはSFCに切り替えることで年会費が上がるので注意が必要です。
SFCに対応したANAカードの「年会費」「SFC切替時の年会費」「入会継続時の特典マイル」「紹介入会特典マイル」の比較一覧表を下記に掲載します。カード選びの参考にしてください。
ANAカード | 年会費 | SFC年会費 |
---|---|---|
一般カード | VISA/Master/JCB 初年度:無料 2年目以降:2,200円 | VISA/Master/JCB 11,275円 |
ゴールドカード | VISA/Master/JCB 15,400円 | VISA/Mater/JCB 16,500円 |
VISAプラチナ・プレミアムカード | 88,000円 | 88,000円 |
アメリカンエキスプレス・ゴールドカード | 34,100円 | 34,100円 |
アメリカンエキスプレス・プレミアムカード | 165,000円 | 165,000円 |
JCB・プレミアムカード | 77,000円 | 77,000円 |
ダイナーズカード | 29,700円 | 30,800円 |
ダイナース・プレミアムカード | 170,500円 | 170,500円 |
SFC対応カードは事前準備を推奨
もしSFCの取得を目指す場合、SFCに対応したANAカードは事前に用意しておくことを推奨します。
なぜかというと、いざプラチナステイタスを獲得してSFCに申込みをしようとしても、その時点でSFCに対応したANAカードを保有していない場合、ANAカードの入会審査も同時に行う必要があります。プレミアムカード以外の審査はそこまで厳しくありませんが、万が一審査に落ちてしまった場合、せっかくプラチナ会員になったのにSFCに入会できないという悲しい結果になる可能性があります。
一般的にクレジットカードの審査に落ちた場合、再審査には半年ほどの期間を空ける必要があると言われています。もしプラチナ会員の有効期限の間に審査が通らなかった場合、SFCの入会資格を失うことになります。
せっかくのSFC入会のチャンスを失わない為にもSFC対応のANAカードは事前に発行して準備しておきましょう。カードを既に保有していればプラチナ以上のステイタスを獲得した時点でSFC入会申請をすれば審査なしでSFCに切り替えることができます。
SFC申請時に所有しているANAカードの国際ブランドを切り替える場合はカードの入会審査が発生します。もし国際ブランドの変更予定があるのであれば事前に切り替えておくことをオススメします。
(例)
ANAワイドゴールド VISA → ANAワイドゴールドMasterに切り替えるなど
ANAカードは紹介入会がオススメ
ANAカードの発行には「マイ友プログラム」という紹介制度があります。初めてANAカードを発行する方が既存会員からの紹介で入会すると通常の入会特典マイルに加えて、紹介ボーナスによるマイルが加算されます。紹介で入会するだけで獲得できるマイル数が増えるので、ANAカードを発行する場合は紹介制度の活用がオススメです。
マイ友プログラムの利用方法
下記の紹介番号をコピーして「マイ友プログラムに登録」のボタンからANA公式ページに移動します。
下記番号を使用して登録する
紹介番号 | 00110626 |
紹介者名 | コウケツ ユウタ |
移動先のページで「紹介者名」「紹介番号」を入力後、申請者情報(自分の名前)を入力して登録すればマイ友プログラムに登録できます。
- 登録後3ヶ月以上が経過すると対象外です。
- カード入会後に登録した場合は対象外です。
- 過去にマイ友プログラムを利用したことがある場合は対象外です。
- 過去に同じカードを所有していた場合は対象外です(6ヶ月以上経過していれば対象)
- 一般カードからゴールドカードへの切替などは対象外
- 詳細はマイ友プログラムの注意事項をご確認ください。
マイ友プログラム獲得マイル一覧
マイ友プログラムを使用した場合の獲得可能マイル数一覧は下記を参考にしてください。
入会カード | 通常特典 | 紹介特典 | 合計 |
---|---|---|---|
ANA一般カード | 1,000マイル | +500マイル | 1,500マイル |
ANAゴールドカード | 2,000マイル | +2,000マイル | 4,000マイル |
ANAプレミアムカード | 10,000マイル | +5,500マイル | 15,500マイル |
SFCの特典・メリット
それでは、スーパーフライヤーズカード(SFC)の取得に必要なものがわかったところで、実際にSFCを取得したらどのような特典・メリットを受けられるのか確認してみましょう。
SFC特典一覧
- ANAラウンジの無料利用(国内線・国際線)
- プレミアムメンバー専用サービスデスクの利用
- 座席クラスのアップグレード
- 国内線の先行予約
- 国内線座席指定の優先
- 予約時の空席待ちの優先
- 国内線特典航空券の先行予約
- 国際線特典航空券・アップグレード特典の優先
- 優先チェックインカウンターの利用
- 預入手荷物容量の優待(国内線+20kg・国際線+1個)
- 到着時の手荷物受取の優先
- 専用保安検査場の利用
- 優先搭乗
- 空港での空席待ち優先取り扱い
- アップグレードポイントを一律4ポイント付与(ANA便の利用実績が必要)
- フライトボーナスマイル(35%〜50%)
- マイルからANA SKYコインへの交換率最大1.6倍
(参照)ANAスーパーフライヤーズ会員
スーパーフライヤーズ(SFC)会員になると、これらの特典がクレジットカードの年会費を支払い続ける限り半永久的に受けることができるようになります。これらの特典により旅の快適さが格段にアップします。
SFC特典の中でも人気の特典の一部を紹介します。
ANAラウンジ無料利用(国内線・国際線)
SFC特典の中で最も人気の特典が「ANAラウンジ(国内線・国際線)の無料利用です。
ANAラウンジは上級会員や上級座席の搭乗者にのみ提供しているラウンジです。ゴールドカードの付帯特典などで利用できる空港ラウンジとは違い、上質で落ち着きのある空間となっています。
空港ラウンジは利用できる人が多いので繁忙期やピーク時だと混み合っていることも多いですが、ANAラウンジは原則として上級会員や上級座席の方しか利用できないので、搭乗まで静かで落ち着いた空間で過ごすことができます。
ANAラウンジはアルコールを含めたドリンクが飲み放題となっています。アルコールに関してはご当地のビールやお酒を提供しているラウンジもあります。
国内線のANAラウンジはおつまみ程度ですが、国際線のANAラウンジではフードなども充実しています。海外へ行くと塩味の効いた日本食が恋しくなるので、出国前にラウンジで食事をするのもオススメです。離陸後すぐに機内食があったりするので食べ過ぎには要注意です。
ラウンジ | SFC本人 | 同伴者1人目 | 同伴者2人目 | 同伴者3人目 | 同伴者4人目 | |
---|---|---|---|---|---|---|
日本発 国内線 | ANAラウンジ 羽田、新千歳、仙台、小松、伊丹、関西、岡山、広島、松山、福岡、鹿児島、那覇空港 | 無料 | 無料 | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント |
日本発 国内線 | ANA ARRIVAL LOUNGE 成田空港(国内線出発ラウンジ) | 無料 | 無料 | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント |
日本発 国内線 | セントレアエアラインラウンジ 名古屋(中部)空港 | 無料 | 無料 | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント | 2000マイル または UGP2ポイント |
日本発 国内線 | 熊本空港 共用ラウンジ 「ASO」 | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
日本発 国際線 | ANA LOUNGE 羽田、成田、関西空港 | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
日本発 国際線 | ANA ARRIVAL LOUNGE 羽田、成田空港 | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
日本発 国際線 | スターアライアンスラウンジ 名古屋(中部)空港 | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
日本発 国際線 | スター アライアンス加盟 航空会社のラウンジ | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
海外発 | ANA LOUNGE ホノルル空港 | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
海外発 | スター アライアンス加盟 航空会社のラウンジ | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
海外発 | スター アライアンスに 加盟していない航空会社等との 契約ラウンジ | 無料 | 無料 | ✗ | ✗ | ✗ |
優先チェックインカウンター
SFC会員は優先チェックインカウンター(ANAプレミアムチェックイン)を利用できます。
一般カウンターが行列になっている時でも優先レーンからスムーズに手荷物預入や保安検査を受けられます。繁忙期はチェックインや保安検査で行列が出来ているシーンは風物詩ですが、そんな場合でも快適に手続きを行うことができます。
手荷物受取の優先
SFC会員は手荷物の預入をおこなった際にPRIORITY(プライオリティ)マークが手荷物タグに印字されます。これにより目的地に到着後、手荷物受取所にてご自身の荷物が優先的に流れてきて受け取れるようになります。
ベルトコンベアのところで荷物が出てくるまで長く待つ必要がなく、すぐ外に出ることができます。
スターアライアンスゴールド資格も自動付帯
SFC会員は、ANAの上級会員資格や特典に加えて、ANAを含む世界26の航空会社が加盟しているスターアライアンスのゴールドメンバーステイタスも自動付帯となります。
国際線で利用する航空会社がスターアライアンス加盟航空会社であれば、ANAでなくても同等の上級会員サービスを受けることができようになります。
家族カードもSFC会員になれる
本会員がSFC資格を取得すれば、家族カード会員も自動的にSFC会員になることができます。
本会員の配偶者、両親、子供もANAの飛行機によく乗るのであれば、家族カードを発行するだけでSFC会員と同じ特典や優遇サービスを受けることができるようになります。
たとえば、ANAラウンジは会員本人と同伴者1名まで無料で入室できますが、家族4人での旅行だと残りの2人はマイルやアップグレードポイントを使用しない限り入室することはできません。しかし、本会員以外の誰かもう1人が家族カードを持っていた場合、(会員+同行者)✕2の合計4名までANAラウンジを利用できることになります。
家族カードの場合は年会費も安いので、家族全員でANAラウンジを利用するといった使い方をされる場合は家族カードの発行もオススメです。
SFC家族カード年会費一覧
ANAカード | SFC年会費 | SFC家族カード年会費 |
---|---|---|
一般カード | VISA/Master/JCB 11,275円 | 5,610円 |
ゴールドカード | VISA/Mater/JCB 16,500円 | 8,250円 |
VISAプラチナ・プレミアムカード | 88,000円 | 4,400円 |
アメリカンエキスプレス・ゴールドカード | 34,100円 | 17,050円 |
アメリカンエキスプレス・プレミアムカード | 165,000円 | 無料(4枚まで) |
JCB・プレミアムカード | 77,000円 | 4,400円 |
ダイナーズカード | 30,800円 | 11,550円 |
ダイナース・プレミアムカード | 170,500円 | 無料 |
SFC修行について
SFC修行とは
さて、スーパーフライヤーズ(SFC)会員に関する基礎知識が身についたところで、いよいよ本題に入りたいと思います。SFC修行とは一体何なのか。
スーパーフライヤーズ(SFC)のメリットはプラチナ会員相当の優遇サービスをクレジットカードの年会費を支払い続ける限り半永久的に受けられるというものです。
出張などが多くプラチナ会員の基準である50,000ポイントを自然に毎年貯められる方は気にしなくてもよいですが、そうでない方はSFC会員になることでプラチナ会員相当の優遇特典を維持したいと思うわけです。
そこで、本来の飛行機に乗る目的である旅行や出張の為ではなく、SFC会員の取得を目指す為だけにプラチナ会員の達成基準である50,000ポイントが貯まるまで、ひたすら飛行機に乗り続けること。
それが「SFC修行」と呼ばれるものになります。
なぜ「修行」なのか
SFC修行をおこなう人のことを「SFC修行僧」「修行僧」などと呼びます。
なぜ修行と呼ばれるのかと言うと、プレミアムポイントを貯める為だけにフライトを繰り返すことは想像以上に辛いからです。
最初の2〜3回目くらいまでは新鮮味もあり楽しいのですが、4回目あたりから空港に向かうが億劫になってくるのです。SFC修行に必要なフライト回数は「航空券のランク」「路線」「キャンペーン」などにより異なりますが、約10往復から20往復程度が必要になります。「これをあと◯◯回繰り返すのか・・」と考えると苦行のように感じてくることから「修行」と呼ばれています。
SFC修行に必要なフライト回数
では、SFC入会条件の1つであるプラチナ会員基準(50,000ポイント)を貯める為には、どれくらい飛行機に乗ればいいのか具体的なフライト回数の例をみていきましょう。
具体的な計算方法は次章で説明しますが、以下はざっくりとした目安です。
東京羽田-沖縄那覇間・普通席(ANA SUPER VALUE・運賃種別7)
片道1,476PP・往復2,952PP
50,000 ÷ 2,952 =16.9 約17往復
東京羽田-沖縄那覇間・プレミアムクラス(ANA SUPER VALUE PREMIUM・運賃種別2)
片道2,860PP・往復5,720PP
50,000 ÷ 5,720 =8.7 約9往復
飛行距離が長くプレミアムポイントを貯めやすいことで人気な東京羽田-沖縄那覇間を早期予約割引を活用した場合、普通席だと約17往復、プレミアムクラスだと9往復が必要ということになります。
具体的なプレミアムポイントの算出方法は次章にて解説します。
プレミアムポイント(PP)算出方法
プレミアムポイントは次のような計算式で算出されます。
区間基本マイレージ ✕ 予約クラス・運賃種別ごとの積算率 ✕ 路線倍率 + 搭乗ポイント = プレミアムポイント
区間基本マイレージ
出発地から到着地までの区間ごとに定められたマイル数であり、基本的に飛行距離が長いほどマイル数が高くなります。
実際のマイレージチャートは下記より確認できます。
国内線マイレージチャート(ANA公式)
国際線マイレージチャート(ANA公式)
予約クラス・運賃種別ごとの積算率
飛行機にはエコノミーやビジネスクラスなどの座席クラスがあることは有名ですが、実はこれらのチケットは更に細かいランク分けが設定されており、そのランクによって積算率が異なります。
国内線は運賃種別、国際線は予約クラスという名称で区分けされており、基本的には航空券代が高いランクほど積算率が高くなる傾向があります。
各クラスの具体的な積算率は下記より確認できます。
国内線 運賃種別ごとの積算率
国際線 予約クラスごとの積算率
路線倍率
路線倍率は上記の「区間基本マイレージ」と「予約クラス・運賃種別」を乗じた値に路線ごとに決められた倍率を乗じることができます。
国内線は一律2倍
国際線は日本発着のANA便のうちアジア・オセアニア・ウラジオストク路線は1.5倍
それ以外の国際線は1倍(変動なし)となっています。
路線 | 倍率 |
---|---|
国内線 | 2倍 |
国際線 ANAグループ運航便の日本発着 アジア・オセアニア・ウラジオストク路線 | 1.5倍 |
国際線 上記以外のANAグループ運航便路線 スターアライアンス加盟航空会社、スターアライアンスコネクティングパートナー運航便 | 1倍 |
搭乗ポイント
一部の対象運賃・予約クラスの場合は、上記で算出した値に搭乗ポイントが加算されます。
対象運賃(国内線) | 搭乗ポイント(1区間) |
---|---|
プレミアム運賃、プレミアム小児運賃、プレミアム障がい者割引運賃、ANA VALUE PREMIUM(Child)/ANA SUPER VALUE PREMIUM(Child)、ANA VALUE PREMIUM 3、ANA SUPER VALUE PREMIUM 28、プレミアム株主優待割引運賃、プレミアム小児株主優待割引運賃、ANA FLEX、ビジネスきっぷ、小児運賃、障がい者割引運賃、介護割引、ANA VALUE(Child)/ANA SUPER VALUE(Child)、ANA SUPER VALUE EARLY(Child)、ANA VALUE(ANA VALUE A/B/C)、ANA VALUE 1、ANA VALUE 3、ANA VALUE 7、株主優待割引運賃、小児株主優待割引運賃、プレミアムBiz、Biz、プレミアム@Biz、@Biz、プレミアムビジネスきっぷなど | 400ポイント |
ANA VALUE TRANSIT 7、ANA VALUE TRANSIT、ANA VALUE TRANSIT 28 | 200ポイント |
各種アイきっぷ、国際航空券(国内区間)、ANA SUPER VALUE 21(ANA SUPER VALUE 21A/B)、ANA SUPER VALUE 28、ANA SUPER VALUE 45、ANA SUPER VALUE 55、ANA SUPER VALUE 75、ANA SUPER VALUE SALE、ANA SUPER VALUE EARLY、いっしょにマイル割(同行者)、「スマートU25」運賃、「スマートシニア空割」運賃、プレミアム包括旅行割引運賃、個人包括旅行割引運賃、包括旅行DP割引運賃、訪日包括旅行DP割引運賃、DP限定旅行用特割運賃(包括旅行MDP割引)、ANA SUPER VALUE 75 & JR きっぷなど | 0ポイント |
座席クラス(国際線) | 予約クラス | 搭乗ポイント(1区間) |
---|---|---|
ファーストクラス | F/A | 400ポイント |
ビジネスクラス | J/C/D/Z/P | 400ポイント |
プレミアムエコノミークラス | G/E/N | 400ポイント |
エコノミークラス | Y/B/M | 400ポイント |
エコノミークラス | U/H/Q/V/W/S/T/L/K | 0ポイント |
SFC修行で重要なPP単価
SFC修行をする上で重要な指標となるのが「PP単価」です。
PP単価とは1プレミアムポイントを獲得する為に必要な費用のことです。
航空券代 ÷ 獲得プレミアムポイント = PP単価
(例)航空券代10,000円・獲得PP 1,000ポイントの場合
10,000 ÷ 1,000 = 10 → PP単価10円
単純計算になりますが、東京羽田と沖縄那覇間の普通席(SUPER VALUE・運賃7)の航空券が10,000円だった場合、獲得PPは片道1,476ポイントなので、10,000円 ÷ 1,476PP = 6.7 なので、PP単価は6.7円になります。
SFC修行のトータルコストを下げるには、このPP単価をいかに安く抑えるかが重要です。
SFC修行に必要な費用(概算)
チケット種別やシーズンによってPP単価は変動するので総費用は一概には言えませんが、PP単価を元に単純計算するとおおとそ次のようにシミュレーションできます。
- PP単価5円で総額は25.0万円(5円 ✕ 50,000PP = 25.0万円)
- PP単価6円で総額は30.0万円(6円 ✕ 50,000PP = 30.0万円)
- PP単価10円で総額は50.0万円(10円 ✕ 50,000PP = 50.0万円)
- PP単価12円で総額は60.0万円(12円 ✕ 5,0000PP = 60.0万円)
このようなイメージです。
特別なキャンペーンなどがない場合、SFC修行におけるPP単価10円が標準的とされており、PP単価10円未満であればお得、PP単価10円以上であれば少し割高と言われています。
平均的なPP単価は10円なので、SFC修行に必要な費用は約50万円前後と考えることができます。
50万円あれば海外にも行ける金額なので決して安くはないですよね。SFC修行においてはいかにPP単価を安く抑えるかが重要になってきます。
SFC修行を安く抑える方法
旅行に必要な費用ならまだしも、ただ飛行機に乗るだけの修行費用はなるべく安く抑えたいですよね。
この章ではSFC修行に必要な航空券をなるべく安く抑える方法をご紹介します。
なるべくオフシーズンを狙う
飛行機には航空需要が高まる時期とそうでない時期があります。
GW、お盆、年末年始などの大型連休や、春休みや夏休みなどの時期は、いわゆる「ハイシーズン」であり航空券のチケットは高くなります。逆に大型連休や春休み・夏休み明けなどは「ローシーズン」となり航空券のチケットは安くなる傾向にあります。
ANAのシーズンチャートは次のようになっているので参考にしてください。
2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|
ローシーズン | 1月4日〜2月28日 4月1日〜4月27日 12月1日〜12月22日 | 1月10日〜2月28日 4月1日〜4月26日 12月1日〜12月27日 | 1月9日〜2月29日 |
レギュラーシーズン | 3月1日〜3月10日 5月9日〜8月4日 8月22日〜11月30日 | 3月1日〜3月10日 5月9日〜8月3日 8月21日〜11月30日 | 3月1日〜3月7日 |
ハイシーズン | 1月1日〜1月3日 3月11日〜3月31日 4月28日〜5月8日 8月5日〜8月21日 12月23日〜12月31日 | 1月1日〜1月9日 3月11日〜3月31日 4月27日〜5月8日 8月4日〜8月20日 12月28日〜12月31日 | 1月1日〜1月8日 3月8日〜3月31日 |
早期予約割引を利用する
ANAには早期予約をすることで航空券が安くなる「ANA SUPER VALUE」という割引制度があります。
最大355日前から予約可能で早ければ早いほど割引額も大きくなります。
これらの航空券は現金もしくはANAスカイコイン等を使用して購入します。
普通席の「ANA SUPER VALUE」の
種別・予約期限・積算率・搭乗ポイントは次のようになります。
割引種別(普通席) | 予約期限 | 運賃種別・積算率・搭乗ポイント |
---|---|---|
ANA SUPER VALUE 75 | 搭乗日の75日前 | 運賃7(積算率75%)+ 搭乗ポイント0 |
ANA SUPER VALUE 55 | 搭乗日の55日前 | 運賃7(積算率75%)+ 搭乗ポイント0 |
ANA SUPER VALUE 45 | 搭乗日の45日前 | 運賃7(積算率75%)+ 搭乗ポイント0 |
ANA SUPER VALUE 28 | 搭乗日の28日前 | 運賃7(積算率75%)+ 搭乗ポイント0 |
ANA SUPER VALUE 21 | 搭乗日の21日前 | 運賃7(積算率75%)+ 搭乗ポイント0 |
ANA VALUE 7 | 搭乗日の7日前 | 運賃5(積算率75%)+ 搭乗ポイント400 |
ANA VALUE 3 | 搭乗日の3日前 | 運賃5(積算率75%)+ 搭乗ポイント400 |
ANA VALUE 1 | 搭乗日の1日前 | 運賃5(積算率75%)+ 搭乗ポイント400 |
プレミアムクラスの「ANA SUPER VALUE PREMIUM」の
種別・予約期限・積算率・搭乗ポイントは次のようになります。
割引種別(普通席) | 予約期限 | 運賃種別・積算率・搭乗ポイント |
---|---|---|
ANA SUPER VALUE PREMIUM 28 | 搭乗日の28日前 | 運賃2(積算率125%)+ 搭乗ポイント400 |
ANA SUPER VALUE PREMIUM 3 | 搭乗日の3日前 | 運賃2(積算率125%)+ 搭乗ポイント400 |
プレミアムクラスは普通席と比べて航空券の値段は高いですが積算率が高い(約1.67倍)ので、多少の費用が増えてもフライト回数を減らしたい場合はプレミアムクラスで修行をするのもオススメです。
ANA SUPER VALUEの予約開始日は公式発表を待つ必要がありますが、おおよそ下記のスケジュールで販売される場合が多いです。
搭乗期間 | 予約開始日 |
---|---|
夏ダイヤ(3月末から10月末) | 1月末頃 |
冬ダイヤ(10月末から翌年3月末) | 8月末頃 |
ANA SUPER VALUEおよびPREMIUMは日付変更が不可能なチケットです。
キャンセルする場合は払い戻し手数料が必要になります。
安く航空券が入手できる代わりに、予定変更が難しいので事前の計画が重要になります。
株主優待券を使用する
ANAの株主に株主優待券を使用する方法もあります。
株主優待券の主なメリットは次のとおり。
- 普通運賃の約50%の価格で購入可能
- 予約変更が可能(株主優待番号の有効期限内に限る)
- 普通席・プレミアムクラスの両方で使える
株主優待券はANA株の所有株式数に応じて入手できますが、優待券の利用者に制限がないのでチケットショップやオークションなどで売られている優待券を購入して使用することもできます。
最大のメリットは約半額の値段で購入できる上に予約変更が可能なことです。ANA SUPER VALUEなどの早期割引は安い代わりに予約変更ができないので、急な予定が入った場合などに対応できないデメリットがありますが、株主優待券があればそのあたりはフレキシブルに対応できるようになります。
ANAマイルをSKYコインに変えて購入する
SKYコインは1コイン=1円分としてANA航空券の購入に使用できる独自ポイントのことです。
SFC修行の費用を抑える為にはANAマイルも活用したいところですが、残念ながらマイルで無料交換できる「特典航空券」はプレミアムポイント獲得の対象外なのでSFC修行では使えません。
しかしANAマイルをSKYコインに交換して有償の一般航空券を購入することで修行費用を抑えることができます。もしANAマイルが貯まっている場合はSKYコインに交換して実質PP単価を安く抑えてみましょう。
ANAゴールド・プレミアムカードを保有している場合の交換率
交換マイル数(ゴールド・プレミアム) | 交換後コイン数 | 倍率 |
---|---|---|
1〜9,999マイル | 1〜9,999コイン | 1倍 |
10,000マイル | 12,000コイン | 1.2倍 |
20,000マイル | 26,000コイン | 1.3倍 |
30,000マイル | 42,000コイン | 1.4倍 |
40,000マイル | 60,000コイン | 1.5倍 |
50,000マイル〜 200,000マイル | 80,000コイン〜 320,000コイン | 1.6倍 |
一般カードを保有している場合の交換率
交換マイル数(一般カード) | 交換後コイン数 | 倍率 |
---|---|---|
1〜9,999マイル | 1〜9,999コイン | 1倍 |
10,000マイル | 12,000コイン | 1.2倍 |
20,000マイル | 26,000コイン | 1.3倍 |
30,000マイル | 42,000コイン | 1.4倍 |
40,000マイル | 60,000コイン | 1.5倍 |
50,000マイル〜 200,000マイル | 75,000コイン〜 300,000コイン | 1.5倍 |
ポイントサイトを活用する
SFC修行の費用を抑えるのに最も効果を発揮するのがポイントサイトの活用です。
前述のANAマイルをSKYコインと交換することで1コイン=1円として使えるようになるように、ANAマイルを貯めることはSFC修行の費用を安く抑えることに直結します。
ただし普段から出張などで頻繁に飛行機に乗る方でない限りマイルはそこまで多く貯まりません。そのような場合、一般的にはクレジットカードでショッピングをしてマイルを貯めることになります。
たとえば、ANAワイドゴールドカードの場合、200円につき2マイル(還元率1%)なので、1万マイルを貯めるのに100万円のショッピングをする必要があります。1万マイル貯めるのに意外と出費が必要なことがわかります。
100万円 = 1万マイル = 12,000円分です。
ゼロよりはマシですがあまりお得感がないですよね。
しかし、ポイントサイトを活用することでANAマイルをローコストで劇的に大量に貯めることができます。
航空券を購入するまでの流れは簡単にまとめると次のとおり。
- ポイントサイトでポイントを貯める
- ポイントをANAマイルに交換する
- ANAマイルをSKYコインに交換する
- SKYコインで航空券を購入する
下記記事で具体的な交換方法を解説しているので参考にしてみてください。
MarriottBonvoyアメックスを活用する
飛行機以外に高級ホテルにもお得に泊まりたい方向けの方法になります。
MarriottBonvoy(マリオットボンヴォイ)アメックスは、世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルとアメリカンエキスプレスが提携して発行しているクレジットカードです。
年会費 | 49,500円 |
日々のショッピング | 100円 = 3ポイント |
マリオット系列ホテル | 100円 = 6ポイント |
マイル交換60,000P未満 | 3ポイント = 1マイル (マイル交換率1%) |
マイル交換60,000P以上 | 60,000Pごとに+5,000P (マイル交換率1.25%) |
ショッピングをしたりマリオット系列ホテルに宿泊した際にカードを利用するとMarriottBonvoyポイントが貯まり、そのポイントを使って更にお得にホテル宿泊できるという好循環を生むことでホテル好きに人気のカードです。実はこのカード、飛行機好きの方にも人気のカードとなっています。なぜかというとマイル交換率が非常に高いからです。
MarriottBonvoyポイントは100円=3ポイント=1マイル(マイル交換率1%)なので、これだけではANAワイドゴールドなどと同じです。しかし、このカードは一度に60,000P以上を交換した場合、60,000Pごとに5,000マイルのボーナスが付与という特典があります。その場合のマイル交換率は1.25%になります。
またANAカードなど一般的なクレジットカードのポイントは有効期限がありますが、MarriottBonvoyアメックスの場合は有効期限が実質無期限となっています。
どういう仕組みかというと、MarriottBonvoyポイントの有効期限は最後にポイントの増減が発生した時から2年間となっています。逆にいうとショッピング等でポイントの加算が少しでもあれば有効期限が延長されます。
つまり、月1回や年1回でもカードを利用してポイントを加算すればポイントの有効期限は実質無期限ということです。
貯めたポイントで高級ホテルにお得に泊まりつつ、必要に応じて航空会社のマイルに交換することも出来るので、マイルを貯めつつホテルライフも楽しみたい方にはオススメのカードとなっています。
MarriottBonvoyアメックスについて詳しく知りたい場合は下記の記事も参考にしてみてください。
MarriottBonvoyアメックスに関する記事はこちら
SFC修行は平均して約50万円程度と決して安くはない費用が必要となりますが、いきなり航空券を買うのでなく、今回紹介したような様々な方法を使うことで修行費用を抑えることが可能です。
ぜひ、これらの方法を活用してSFC修行に挑戦してみてください。
- なるべくオフシーズンで行う
- 早期予約割引を利用する(SUPER VALUE等)
- 株主優待券を使用する
- マイルをSKYコインに変えて購入する
- ポイントサイトを活用する
- MarriottBonvoyアメックスを活用する
まとめ
SFC修行入門ガイドをご覧いただきありがとうございました。
SFC修行は、お金・時間・体力が必要となり、始めるかどうかの決断は非常に悩むと思います。SFC修行自体が非常にニッチな領域なので、一般の方との会話で話題になることはまずないでしょう。
SFC修行の情報について調べだすと同じような価値観を持った仲間がたくさんいるかのような錯覚に陥りますが世間的にはかなりの少数派です。SFC会員資格の為だけに飛行機に繰り返し乗ること自体、理解を得られないことがほとんどでしょう。
なので、SFC修行は完全に自己満足の世界であると言えます。
SFC修行をするかどうかは、ご自身がやりたいと思うかどうか。それだけです。
SFCは一度達成すると半永久的に資格を維持できるので、SFC修行ができるのは多くの人にとって人生で一度きりです。
SFC会員になることで得られる優遇サービスやステイタスを
それなりの時間と費用をかけてでも欲しいかどうか。
それをご自身に何度も問いかけて
もし答えが「イエス」なのであれば、SFC修行を行ってみてはいかがでしょうか。
- SFC会員になるとプラチナ会員相当の優遇を半永久的に維持できる
- SFC会員になる為には一度だけで良いので年間50,000以上のプレミアムポイントを貯める
- SFC会員になる為にはSFCに対応したクレジットカードを用意する
- SFC修行に必要な費用は平均約50万円(時期や路線、キャンペーン等により変動)
- SFC修行の工程を組む時はPP単価を意識する
- SFC修行はポイントサイトやマイルを使うことで費用を抑えられる