こんにちは。
マイルズクラス編集長です。
前回の発行から約4ヶ月ぶりとなる運営マガジンの発行です。何とか年内に第2回を発行することができました。年末ということなので、2022年の振り返りやYouTubeの運営を通して感じている事などを中心に筆を走らせたいと思います。
YouTubeでマイルズクラスを知り、わざわざWebメディア版にアクセスしてくれる方は全体の1%以下だと思います。訪問してくれただけでも希少なのに、さらにこんな目立たない場所にある運営マガジンにまで辿り着いたあなたは、かなりの物好きか好奇心の強い方だと思います。
運営マガジンは旅行コンテンツを主体としない編集長の個人的な思想などを書き連ねる唯一の場所なので、知り合いのSNSの裏アカウントを発見したような背徳感を感じながら、お楽しみいただければと思います。

マイルズクラス編集長
旅のガイドブックメディア『マイルズクラス』編集長。
WebメディアとYouTubeの企画運営・取材・コンテンツ制作を行っています。
【MILES CLASS LETTERS】
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YouTube運営を開始して1年
マイルズクラスの主力メディアであるYouTubeで番組配信を開始して約1年になります。チャンネル登録者は執筆時点で約3,000名という結果になりました。かなりスローペースです。
チャンネル登録者数をどれだけ重視するかは運用目的により様々です。権威性といった側面も当然ありますが、登録者数は「今後の動画も気になる」「他の動画もまた見たい」といった評価を数値化したものでもあります。特に表には出ない数字ですが動画別の増加数は「持続性の高い需要」を見つけるヒントにもなるので、今後のチャンネル運営方針を決める上で重要な指標の1つです。なので、市場のパイを取り切るまではしっかりと向き合いたいと思います。
チャンネル登録者数に関する具体的な目標は次の章で書きます。
旅行系YouTubeの市場規模
マイルズクラスのYouTubeチャンネルのテーマは、広義では「旅行コンテンツ」狭義では「マイル情報系コンテンツ」の比重が高いチャンネルとなります。
現在のYouTubeにおける「旅行コンテンツ」や「マイル情報系コンテンツ」の市場規模はどの程度なのかリサーチした結果、2022年12月現在、概ね次のような規模感だと考えています。
ジャンル | 市場規模 |
---|---|
マイル情報系コンテンツ | 5,000〜10,000人 |
旅行系中心のクレジットカードコンテンツ | 5,000〜20,000人 |
ホテル系の実写コンテンツ | 5,000〜20,000人 |
エアライン系の実写コンテンツ | 10,000〜30,000人 |
オーナーの属人性の比重が高いコンテンツ | 50,000人〜 |
運用歴が長いチャンネルはもう少し高い場合もありますが、平均再生数も含めて総合的に勘定すると、各コンテンツのアクティブユーザー数は概ねこの規模感だと思います。YouTubeの市場規模としてはかなり小さいです。
この結果から推測すると、現状のマイルズクラスが目指せるチャンネル登録者数のアッパーは約20,000人から30,000人程度ということになります。
将来のチャンネル運営方針は未定ですが、登録者数を最重要指数とする場合「属人性」の比重を上げる必要があります。「属人性の比重が高いコンテンツ」とは、集客力の比重がマイルやクレジットカード、ホテルや飛行機といったコンテンツではなく、チャンネルオーナー自身が集客力のトリガーとなっている状態のことを指します。(オーナーと演者が別の場合もあるので、ここでは主たる演者ということにします)
例えば「劇場版のドラえもん」を例にすると、各作品ごとに「西遊記」「宇宙と銀河鉄道」「更新世の日本」といった様々な舞台でドラえもん達が冒険するというコンテンツですが、実際に映画を見に来るお客さんで「今回は宇宙がテーマだから見に行こう」という人は少数派です。多くの方は「ドラえもんの映画を見に行こう」という動機で見に来ます。
もちろん作品の良し悪しで観客動員数(再生数や登録者数)は変動しますが、集客のトリガーは「舞台やテーマ」ではなく「ドラえもん」というブランドコンテンツです。
YouTubeにおいても「テーマやジャンル」自体が持っている数字の市場規模を上回るには「属人性」というレバレッジを掛ける必要が出てきます。ただし、レバレッジを掛ける副作用として「テーマやジャンル」に深い関心がある方の密度が薄まるというデメリットもあります。
現在、マイルズクラスのYouTubeチャンネルは「旅のガイドブックメディア」として「マイルズクラス」というブランドの認知拡大を最大の目的として運営しているので、数字の為に属人性に比重を置くのは諸刃の剣でもあり、運営方針を大きく転換する必要があります。
編集長はあくまで「マイルズクラス」というメディアを動かす裏方なのです。
まぁ、取らぬ狸の皮算用をしていても仕方ないので、まずは目の前に確実に存在する市場でシェアを取ることに尽力し、チャンネル登録者10,000人を目指したいと思います。
参考にしているYouTubeチャンネル
YouTubeの運営者はリサーチや研究なども兼ねて他者が運営しているチャンネルもチェックしており、編集長も研究を兼ねて様々なチャンネルを視聴しています。
中でもマイルズクラスが最も影響を受けているチャンネルは「日経テレ東大学」です。
「え?規模もジャンルもクオリティも全く違いません?」というツッコミが聞こえてきそうですが、全くもってその通りで、当チャンネルとは全く比較にならない大規模チャンネルです。
参考にしているのは競合としてではなく「チャンネル設計」と「運営モデル」です。
日経テレ東大学は、テレビ東京と日本経済新聞社が「経済を楽しく学ぶ」というコンセプトで立ち上げたYouTubeチャンネルです。テレビ局主導で運営しているチャンネルらしいと言えますが「チャンネル=主役の演者」という座組ではなく、YouTubeというネットワーク網にある「経済エンタメ専門チャンネル」という位置づけで運営されています。
テレビの地上波でチャンネルを回す時に「テレビ東京」を選択し、そのチャンネルで放送されている番組として「ワールドビジネスサテライト」や「厳選!にっぽん原風景紀行」などが番組コンテンツとしてあります。同じチャンネル内ですが、各番組の作風や出演者に統一性はありません。視聴者はテレビ東京という「チャンネル」を見ているのではなく、テレビ東京で放送されている「番組」を見ています。
このテレビ視聴のライフスタイルをYouTubeに持ち込んでいるのが「日経テレ東大学」です。
日経テレ東大学の主力番組「Re:Hack」では圧倒的な人気と数字を誇る西村博之と成田悠輔を起用し、チャンネル全体の数字を牽引していますが、多くの視聴者は西村氏と成田氏のキレのある討論を楽しむ為に「Re:Hack」ではなく「日経テレ東大学」にチャンネル登録をします。
一方、チャンネル内には「Re:Hack」以外にも入山章栄が司会を務める「FACT LOGICAL」や後藤達也が司会を務める「あつまれ金融の森」など「経済」という軸を保ちつつ、演者も作風も全く異なる様々な番組が配信されています。
しかし、チャンネル全体の再生数の大半は「Re:Hack」が稼いでおり、他の番組は「Re:Hack」のおこぼれを貰っている状態だと思います。ここだけ聞くと少し失礼な言い方に聞こえるかもしれませんが、チャンネルを長期的に運営するという前提の場合、これは非常に良い戦略だと思います。
もし仮に「Re:Hackチャンネル」という番組単体でチャンネルを開始していた場合、チャンネル登録者が100万人を達成したとしても、演者の人気が落ちてきたり、演者自身が病気や怪我、メンタルやモチベーションなどの理由で出演の継続が不可能となった場合、高確率でチャンネルの寿命も同時に迎えることになり、事業として多くの時間と予算を投下してきたチャンネルはアーカイブとしての資産価値しか残らなくなります。
視聴者は「Re:Hack」を見る為に「日経テレ東大学」にチャンネル登録をしていますが「Re:Hack」が配信される日以外は、他の番組のサムネイルがトップ画面やチャンネル登録一覧に流れてきます。
一般的に普段と内容や方向性の違う動画を投稿するとチャンネル登録者は減少します。なので、チャンネル運営者、特に属人性の高いアカウントのチャンネル運営者は、視聴回数が減ったり、登録者が減少することを恐れて、思うように動画を投稿できなくなり、ストレスを抱えて運営を休止してしまう事も多いです。
しかし、日経テレ東大学の場合、視聴者は「Re:Hack」の最新動画を見る為にチャンネル登録をしているので、次の新着動画が公開されるまでの間に、全く違う演者が登場したり、作風の違う動画が公開されても、他の属人性があるチャンネルなどに比べて、登録を解除されにくい構造になっています。
「Re:Hack」の視聴者が他に見る動画がなかった時でも、たまたま流れてきた他の番組が興味を持つ内容だった場合「少し見てみよう」と視聴してもらえる可能性は、完全にゼロから運営するチャンネルの動画に比べると格段に高くなります。「Re:Hack」を起爆剤としながら、他の番組も同時に成長させ、特定の番組への依存度を徐々に下げつつ全体の底上げをしていくことで、チャンネル自体を持続可能なものにしていく戦略を取ることができます。
このチャンネル設計と運営モデルを参考に、マイルズクラスのYouTubeチャンネルも「THE MILES CLASS」を主力コンテンツに「旅」という軸を保ちつつ「HOTELS」「AIRLINES」「Selections」などの番組を展開しています。ただ、現状は属人性にバランスが偏らないように舵取りをしているので、当チャンネルには西村氏や成田氏のように属人性の高い個人やキャラクターは登場しません。
私自身の立ち位置は「マイルズクラス」というメディアの裏方であり、YouTubeチャンネル内における私は、日経テレ東大学でいう”ぴらめきパンダ=高橋弘樹(企画・構成・演出・プロデューサー)”のポジションなのです。
現在のYouTubeは強者に圧倒的に有利なプラットフォームです。なので、チャンネルを長期的に継続して運営するという前提の場合、いかに築いた資産の持続性を高めて、チャンネルをゼロからやり直さなくても多角化や横展開を実施する余地を持たせたチャンネル設計にできるかが重要になってくると思います。
YouTubeという市場が成熟してくると、新しく生まれては消えていく個人や弱小アカウントが芽を出すことは厳しくなり、ゼロリセットされずにアカウントパワーを積み上げることが可能な、属人性のない組織的で大規模なアカウントに権力が集中して既得権益化が進み、テレビに出るには力のある芸能事務所に所属する必要があるように、YouTubeの世界においても、力のあるチャンネルに属さないとYouTubeで露出することは難しいといった時代が来る日もそう遠くないかもしれません。
無料で発信できるYouTubeやTikTokなどのSNSは「持たざる者」に大きなチャンスを与えてくれますが、それが実現できているのは「広告モデル」が成り立っているからです。この仕組が崩壊するとYouTubeやSNSを含めた全てのネットコンテンツやサービスは有料化し、ネットは「持てる者」による既得権益化が進みます。
無料のネットプラットフォームを主戦場にしている者は、広告ビジネスの動向や資金の流れは常に気にしておく必要があります。YouTubeのチャンネル運営においても大げさに言うならばBCPを策定しておく必要があり、長期的に持続可能なチャンネル設計や運営体制を構築すると同時に、YouTubeの継続が困難となった場合でも、築き上げた資産を残す手段について考えておく必要があります。
2023年の抱負
さて、最後に2023年の抱負でも書いて締めたいと思います。
本当はメディア運営における現状の課題や今後の方針、各番組の反省点や今後取り組みたい事なども書く予定でしたが、書き出していたら1記事分ぐらいのボリュームになりそうだったので、今回は個別具体的に書くのは控えることにしました。というわけで、少々乱暴な締め方になりますが、2023年の抱負は「YouTubeとWebメディアのコンテンツ拡充」「チャンネル登録者10,000人達成」という内容で締めさせていただきたいと思います。
次回の運営マガジンの発行は未定ですが、また何かの節目となる時などに発行したいと思います。
「忘れた頃にふと思い出して見に来たら発行されてた」くらいの温度感で気長にお待ちください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
2023年が良い年となりますように。
マイルズクラス編集長

マイルズクラス編集長
旅のガイドブックメディア『マイルズクラス』編集長。
WebメディアとYouTubeの企画運営・取材・コンテンツ制作を行っています。
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