今回は東京港区神谷町にある東京エディション虎ノ門をご紹介します。
東京エディション虎ノ門はロビーソーシャライジングの先駆者であるイアン・シュレーガー氏が創業したラグジュアリーライフスタイルホテルブランド「エディション」の日本初上陸となる記念すべきホテルである。東京五輪の国立競技場のデザインを手掛けた隈研吾氏による木の温もりや直線美を駆使したお洒落なデザインや東京タワーを間近で眺めながら食事やホテルステイを楽しめるのが魅力のホテルだ。
動画レポート
下記リンクからジャンプすると見たい部分だけをダイジェストで視聴できます。
宿泊情報
ホテル名 | 東京エディション虎ノ門 |
部屋タイプ | プレミアダブルルーム |
ホテルランク | ラグジュアリー |
開業年 | 2020年 |
宿泊時期 | 2023年2月 |
アクセス
住所 | 東京都港区虎ノ門4-1-1 |
交通アクセス | 東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」2番出口より徒歩8分 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」虎ノ門方面改札から直結 |
東京エディション虎ノ門を写真で紹介
YouTubeのホテル紹介動画を写真付きで紹介します。
東京エディション虎ノ門は神谷町にある複合施設「東京ワールドゲート」の上層階に位置します。
ホテルの入口はオフィスエントランス横にひっそりと構えています。
周囲はガラスで覆われ硬質感があるのに対して、ホテルの入口は木の壁のように見えるデザインが取り入れられている。
門の周りには植栽が飾られいます。都会的で無機質な世界から自然の中に入り込んでいくような感覚になります。
外からはホテルの入口と分かりにくいですが、ドア前にはEDITIONのプレートが掲げられています。
中に入ると黒い大理石と照明ラインが美しい高級クラブのような雰囲気のエントランスがゲストを迎える。スタッフの方が31階ロビーのレセプションまで案内してくれました。
エレベーターロビーには森万里子氏の森羅万象をテーマにしたアート作品が展示。
足元を照らすライン状の照明が高級感を演出する。
ロビーがある31階でエレベーターを降りると網状の個性的な椅子が目に飛び込んでくる。これは実用的な椅子として使うのではなくインテリア的なものらしい。もちろん座ることも可能だ。
ロビーへ向かう通路の壁には小さい写真が一列に飾られている。
60年代から70年代にかけての新宿・歌舞伎町に集う人達を撮影したもの。あえて近づかないと見えないように小さくなっており、写真を見る為にゲスト同士が距離を縮めて語り合ってもらうことを想定しているらしい。
ロビー
ロビーに入ると森に迷い込んだようなグリーンの植栽に囲まれた空間がゲストを迎える。天井の大和張りは隈研吾節を感じさせるデザインだ。
待合のロビーラウンジは白いソファが囲むように連なっている。
ロビー中央にはバーカウンターがある。宿泊者以外の利用者も多いそうだ。
白大理石のカウンターに緑色のボトルや椅子がアクセント。
外の景色を楽しみながらお酒や語らいを楽しむことができる。
天井高7メートル程はある大窓とカーテンは神秘的なオーラーを感じさせる。
窓際には植栽で囲われた個室感のある空間でアフタヌーンティーなどを楽しめる。
室内なのに庭の中にいるような気分になる。
こちらも宿泊者以外にも人気のお洒落スポットとして有名らしい。
窓からは東京タワーを眺めることができる。
取材時は開業前であったがロビー奥のテラスでも東京タワーを眺めながら食事を楽しめるようになるとのこと。
エレベーターホール
客室フロアへ行くエレベーターはレセプション横通路の先にある。
客室フロアへ向かうエレベーターホール。
客室フロアのエレベーターホール。廊下は柔らかい絨毯が敷かれており上質な雰囲気だ。
今回は3219号室のお部屋になります。
部屋を見ていきましょう。
客室(プレミアダブルルーム)
今回は51㎡の広めがあるプレミア2クイーン、シティビュールームです。
床面積のうち半分はベッド、もう半分はリビングとして広々と使えます。
窓は2つあり東京の街並みを一望できます。
東京タワーは直接は見えませんが、覗き込むと見ることができます。
リビング
窓際にはベッドぐらいの大きさがあるカウチソファやテーブル、スタンドライトがあります。
お部屋に入ってしらばらくするとウェルカムスイーツとして抹茶のチョコレートが届きました。
ひと口サイズですがしっとり濃厚な甘さ。ミニバーにあるコーヒー等と一緒に食べると良いです。
あらためてソファやテーブル周りを見ていきましょう。
端にはクッションが2つとブランケット。
ソファに横たわりながら寛いだり景色を眺めたりして楽しむことができます。
ベッド
ベッドはクイーンサイズで大きく快適に眠ることができました。
ベッドの上にはブランケットがさりげなく置かれています。こういうスタイルなので決して放置されているわけではありません。
枕も4つ用意されています。
ベッドテーブルには照明・電話機・メモ帳、Bluetoothスピーカーのみでシンプル。
壁にはUSB端子やコンセントの他に、照明やカーテンの自動開閉ボタンなどが付いています。
テレビ・机
次は机周りを見ていきます。
机の天板もとてもシンプル。壁には65インチの大型テレビが備わっています。
デスクライトもシンプル。
天板の下にはコンセントやUSB端子がありますが、使用しない時は隠せるようになっている。
横幅が広いので物を置く場所も十分にある。
ミニバー
こちらはミニバーになっています。
エスプレッソマシン、お茶セット、ミネラルウォーターなど。
湯呑と急須。お茶は煎茶(左)とほうじ茶(右)です。
奥は有料のアルコールボトルとミネラルウォーター。水は珍しい紙コップ製です。
コーヒーカプセルは3種類。シュガー、ミルク等は奥に入っています。
冷蔵庫は上の棚の中に入っています。
ミニバーのスナックやドリンクの料金はこんな感じ。
上段の引き出しにはグラス、タンブラー、ティーカップなど。
中段にはスナックや紅茶のサシェ、電子ポッドなど。紅茶はNY土産でお馴染みのハニー&サンズです。
下段は金庫になっています。
クローゼット
こちらはクローゼット。
ハンガーはこのクラスのホテルにしては少なめな気がしないでもないですが最低限の数はあります。シューホーンや雨天時用の傘もあります。
バスローブは裏地は起毛でフードもあり着心地はかなり良い。
アイロンも用意されている。
洗面台
洗面台は中央の鏡とシンク、両サイドはかなり広いスペースが取られている。
天板とシンクはシームレスで繋がっている。隣には石鹸が1つシンプルに置かれている。
化粧鏡とル・ラボとエディションがコラボしたブラックティーの香りのボディローション。
石鹸もル・ラボ。
アメニティはこのブランドで統一されています。
石鹸やボディローション以外のアメニティはシンク下の棚に配置されています。
バスタオル、ボディタオル、ハンドタオル、それぞれ3枚ずつ用意されている。
ドライヤーはホリスティックキュアが採用されていました。
コンセントは右側の壁にある。
アメニティは重みのある白いボックスの中に収納されています。全て黒いシックな包や箱に入っている。
アメニティは下記のとおり。
- サニタリーバック
- バニティセット
- シャワーキャップ
- カミソリ
- シェービングフォーム
トイレ
トイレは奥の扉の中。個室になっているので安心です。
バスルーム
隣はバスルーム。洗い場とバスタブが一体型のお風呂です。
ハンドシャワーはW大阪などと同じスティック型です。
こちらもル・ラボのシャンプー、コンディショナー、ボディソープがボトルで用意されています。
バスタブはなめらかなラウンドフォルムでゆっくり浸かれます。
ル・ラボのバスソルトもあります。ロビーと同じブラックティーの香りなので好みに合えば使用してみましょう。
天井にはレインシャワーもあります。間接照明の明かりもリラックスした気分にさせてくれます。
お部屋の総評としては「自宅の家のような旅先のホテル」という印象です。白やベージュを基調としたシンプルな空間、部屋が片付いているとメンタルが安定するように、視界に入る情報量が少ないことで安らかな気分にさせてくれる。部屋に戻ってくると、旅行や仕事で刺激に疲れた身体や神経を落ち着かせてくれるような安心感がある。前述した通り、ツインベッドの部屋に東京タワービューのお部屋はないらしい。覗き込めば見えるという感じではあるが、もしお部屋の窓から東京タワーを眺めたい場合はキングベッドルームなどの「東京タワービュー」のお部屋を選択することをおすすめします。
プール
プールは31階のエレベーターホールの奥にあります。客室のバスローブとスリッパで行くことができます。
更衣室には洗面台もあります。
奥は更衣スペースやロッカー。
タオル、ティッシュ、ドライヤーなどのアメニティも完備です。
ロッカーは暗証番号ロック機能付きです。
ロッカー内にはタオル、ランドリーバッグ、ハンガーが入っています。
乾燥機もあるので持参の水着を持ってきた時も乾かして帰ることができます。
トイレもあるのでプールで泳いでる時も安心です。
シャワールームにはシャンプー、コンディショナー、ボディソープも完備です。
長さ約14mほどのブルーに光る温水プール。
プールサイドには紙ボトルのミネラルウォーター。
スイミングキャップは無料でレンタルできます。
プールサイドにはデッキベッドが並んでいます。
各ベッドにはタオルも完備
奥にはデッキチェアもあります。
奥のスペースにはジャグジーがあります。
階段で降りれるようになっていますが滑りやすいので注意。
天井の窓から採光があるので昼間は明るく開放感があります。
夜は部屋全体が暗くなりプールがより幻想的に青い光ります。
少しナイトプール感のある雰囲気。しかし、人数制限があるので混み合うことは少なそうです。
奥のジャグジーもブルーに光っています。
撮影許可を頂いていますが、普段はプール内の写真撮影は禁止となっているのでご注意ください。
ジム
ホテルには24時間営業のジムもありルームキーを使用して入室します。
有酸素運動マシンを中心に一通りの設備が整っています。
入口の前にはウォーターサーバーなどがあります。
棚にはイヤホン、ミネラルウォーター、タオルなどが準備されています。
そこまで広くはありませんが、滞在中に運動する分には問題ないと思います。
ターンダウン
夜はターンダウンサービスが行われ、部屋に戻ってくると就寝の準備が整えられています。
サイドテーブルには水とグラスが用意されています。
カーテンを開けていても外の視界はそこまで気にならない高さと立地かと思います。窓を覗き込むとライトアップされた東京タワーを見ることもできます。
朝食(The Blue Room)
朝食はレストラン「The Blue Room」での提供になります。
窓からは東京タワーを一望できます。
今回は東京タワーがよく見える窓際の席を用意してもらいました。
椅子のシートのブルーが目を引きます。
机の上にもブルーの装飾と花。
東京タワーがよく見えます。
朝食はTHE BLUE ROOM BREAKFAST(洋食)とJAPANESE BREAKFAST(和朝食)から選択。
こちらは洋食のセットメニュー。
「旬のフルーツ」
「グリーンサラダ、コールドカット」
「パンとベストリー」
ジャムはストロベリーやハチミツなど。
メインディッシュは下記のメニューから1つを選択します。
- エッグベネディクト
- グリーンオムレツ
- アボガドトースト
- エッグ&ベーコンサンドイッチ
- お好みの卵料理
- ブリオッシュフレンチトースト
- パンケーキ
今回はエッグベネディクトを選択。イングリッシュマフィンの上に卵が乗っている形だ。小ぶりだが中はトロトロで濃厚な味。
こちらは和朝食のセットメニュー。
「焼き魚」
「小鉢」
「野菜の煮物」
「旬のフルーツ」
「茶碗蒸し」
「白米」(玄米の選択可)
「味噌汁」
食後はコピーで一服。
東京エディション虎ノ門のThe Blue Roomでは、東京タワーを眺めながら朝食を頂くことができ、とても気持ちの良い朝を迎えることができます。食事に関しては好みもありますが和朝食の方が満足度は高いかなと思います。1人6,300円という値段から考慮すると、洋食はちょっと物足りない印象を受けました。どうしてもホテル内で食べる必要がないなら、他の選択肢を選ぶのもありだと思います。
東京エディション虎ノ門 まとめ
東京エディション虎ノ門はロビーソーシャライジングの先駆者であるイアン・シュレーガー氏が創業したラグジュアリーライフスタイルホテルブランド「エディション」の日本第1号店のホテルである。
ソーシャライジングとは日本語で「社交」や「付き合い」といった意味があり、ロビーソーシャライジングはロビーを旅人と地元の人が交流する拠点にするという発想で、そのコンセプトはホテルのいたる所から感じられる。レセプションからバーやレストランまで壁がなくシームレスに繋がっており、人々が繋がりやすい空間を生み出している。
待合ロビーのソファは連続して連なっており、独立したパーソナルな空間ではなく周囲と距離が近く、互いの顔が見える設計になっており、その作りはバーも同じだ。エレベーターホールにある近づかないと見えないほどの小さな写真も、訪れたゲスト達が距離を近づけ写真について語り合って欲しいという思いが込められているとのことだ。
このようなライフスタイルホテルは同じMarriottBonvoy加盟ホテルだと毛色は違うがW大阪が非常に近いコンセプトのホテルだろう。ロビーの構造もよく似ている。ラグジュアリーホテルでも格式張った重厚感のある場所ではなく、上質な空間でありながら気さくでフランクに楽しみたい方にはオススメのホテルと言えるだろう。両者のホテルにも共通しているがスタッフの方も良い意味でフランクであり、伝統的でクラシカルなホテルとは違った魅力がある。
お部屋に関しては寺院や禅の精神を感じる非常にシンプルで無駄がない部屋だ。一般的なラグジュアリーホテルのイメージである豪華絢爛といった雰囲気ではないので、そういった刺激や華やかさを求める方にとっては、このホテルは向いていないかもしれない。
筆者の感想としては、非日常空間を味わうというより「自宅の家のような旅先のホテル」という印象だ。柔らかな照明の光と木の温もりに囲まれたシンプルで禅的な客室は、旅行者であれば慣れない土地で異なる文化に触れたり新たな体験をしたことによる興奮、ビジネス客であれば仕事のプレッシャーや緊張など、様々な刺激で疲れたゲストの身体や神経を落ち着かせて、リラックスした気分にさせてくれる。
さて、そんな魅力ある東京エディション虎ノ門だが、当ホテルは万人におすすめと言うより「かなり人を選ぶホテル」というのが筆者の感想だ。ライフスタイルホテルの概念はまだそこまで普及していないこともあり、一般的なラグジュアリーホテルのイメージで訪れると物足りなく感じる人も多いだろう。
また、個人の旅行客が泊まるホテルでもないようにも感じる。ホテル周辺はビジネス街で観光地や商業施設があるわけでもなく、観光の拠点としてアクセスが良いとも言えない。一方、ホテルがある東京ワールドゲートなどのオフィスにはアメリカン・エキスプレス社なども含めたグローバル企業が多く入居する。
これは筆者の印象だが、東京エディション虎ノ門はグローバル企業や大手企業のエグゼクティブ層によるビジネス利用が多いのではないかと思う。最近の都内のホテルは値上がりしているとは言え、宿泊価格や朝食の内容は個人の旅行客ではなくビジネス客の利用を想定した内容のように思える。しかし、ホテルが入居する東京ワールドゲートは「国際ビジネス拠点として世界と日本を繋ぐゲート機能を担う」という国家戦略特区の開発プロジェクトで生まれたという背景もあるので、ある意味コンセプトに忠実とも言える。
一方、ロビー・バーやアフタヌーンティーは宿泊客ではない地元人の利用も多いそうだ。美しい東京タワーを見ながらお酒や食事が楽しめるバーやレストランがあるので、地元の人が多くても不思議ではないだろう。イアン・シュレーガー氏が唱える「ロビーソーシャライジング」は「ロビーを社交場に」というコンセプト。だとすれば、シームレスで開かれた空間であるロビーで地元客(ローカル)と宿泊者(ゲスト)が集う拠点を目指すというシュレーガー氏のコンセプトは実現できているのかもしれない。
総評としては「かなり人を選ぶホテル」という結論に至ったが、スタッフの方は筆者がホテルについて質問をすると、わざわざ各場所を付き添って案内してくれるなど、接客に関しては非常に丁寧で良い印象を抱いた。事前の下調べでは少し不安に感じる部分もあったが、今回の滞在に関してはとても快適に過ごすことができた。昨今のホテル業界には様々な課題もあると思うが、うまく乗り越えてより良い発展をしていくことを願っています。
YouTubeでもホテル紹介動画を公開しているので、より詳細に見たい方は動画版もぜひご覧ください。