今回は大阪市北区の梅田にあるザ・リッツカールトン大阪をご紹介します。
ザ・リッツカールトン大阪は1997年に開業し「ザ・リッツカールトン」ブランドを冠した日本第1号ホテル。18世紀イギリスの伝統的なジョージアンスタイルを取り入れ、英国貴族の邸宅をコンセプトにした重厚感のある空間はゲストを非日常的な世界へ誘ってくれます。
今回は「ホテルの中のホテル」とも呼ばれるクラブレベルでの宿泊記となります。この記事では主に客室、設備などを中心に紹介します。クラブラウンジのサービス・詳細については下記記事で紹介しています。
動画レポート
下記リンクからジャンプすると見たい部分だけダイジェストで視聴できます。
- 00:00 外観・アプローチ
- 00:18 ロビー・エントランス
- 02:21 チェックイン(クラブラウンジ)
- 04:32 アフタヌーンティー1回目(クラブラウンジ)
- 06:38 ルームツアー(ベッドルーム)
- 10:10 ルームルアー(書斎デスク)
- 12:48 ルームツアー(ミニバー)
- 14:18 ルームツアー(クローゼット)
- 15:26 ルームツアー(バスルーム・アメニティ)
- 19:04 フードプレゼンテーション オードブル前菜
- 20:37 フードプレゼンテーション スイーツ&コーディアル
- 21:47 ターンダウンサービス
- 23:35 夜の外観・館内の様子
- 24:39 朝食(クラブラウンジ)
- 26:53 スパ&フィットネス・プール
- 28:19 グルメショップ・ブティック
- 30:53 フードプレゼンテーション 軽食(クラブラウンジ)
- 31:47 アフタヌーンティー2回目(クラブラウンジ)
- 33:10 チェックアウト
宿泊情報
今回の宿泊記動画の宿泊情報は次のようになっています。
ホテル名 | ザ・リッツ・カールトン大阪 |
部屋タイプ | クラブデラックス・スカイビュー・コーナールーム |
ホテルランク | ラグジュアリー |
開業年 | 1997年 |
宿泊時期 | 2022年6月 |
アクセス
住所 | 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目5−25 |
交通アクセス | JR新大阪駅からタクシーで約15分 JR大阪駅の桜橋出口から徒歩7分 |
ザ・リッツカールトン大阪を写真で紹介
YouTubeのホテル紹介動画を画像付きで紹介します。
外観・アプローチ
ザ・リッツカールトン大阪のメインエントランスは西梅田公園の向かいにあります。車やタクシー等で来る場合はここから入りますが、大阪駅方面から徒歩の場合は、ここ以外にもロビーへ繋がる玄関がいくつかあります。
正面の門柱や建物の壁にはリッツカールトンの旧ロゴがあしらわれています。大阪のリッツカールトンは1997年開業で国内のリッツカールトンホテルとしては最も古く、旧ロゴはその歴史を物語ります。
正面エントランス前にはタクシーや高級車が並びます。
エントランス前はお城の庭のような雰囲気が漂います。
メインエントランスの正面玄関は自動扉ではなく”あえて”両開きの扉となっており、シルクハットを被った(季節による)ドアマンの方が扉を開閉してくれるのがリッツカールトン大阪の名物ともなっています。
「18世紀の英国貴族の邸宅」というコンセプトの雰囲気を崩さないよう、館内は自動扉や空調やエスカレーターといった機械的なものはあえて見えないようなっており、世界観を重視するこだわりを感じさせます。
ロビー
館内に足を踏み入れると、現代社会から18世紀の英国貴族の邸宅にタイムスリップしたような世界が広がります。床にはイタリアから取り寄せたとされる大理石が敷き詰められ、天井にはチェコ産のクリスタルシャンデリアなど重厚感のある雰囲気に呑まれます。
チェックイン手続きを行うフロントデスク。クラブフロア宿泊の際はクラブラウンジの専用デスクでチェックインすることも可能です。後ろの壁にはドイツの作家ハーマン・コッホの「突然の来訪」が飾られています。洒落てますね。
貴族の邸宅を思わせるリビングのような雰囲気の待合ロビー。中央には季節を表すフラワーアレンジメントが飾られています。
お部屋の一室のような待合ロビー。豪華なペルシャ絨毯やソファなどが並べられており、中心にはイタリア産大理石の立派な暖炉が鎮座しています。
リッツカールトン大阪にはアンティークな絵画や調度品が約450点ほど飾られており、館内を歩くだけで美術館のように楽しむこともできます。
宿泊者は参加費無料で館内にある作品の中から数点を選んで案内してもらえるアートツアーも開催されています。興味がある方は問い合わせてみましょう。
ザ・リッツカールトン大阪のロビーマップ。
待合ロビーに横にはイタリア料理店のSPLENDIDO(スプレンディード)があります。
今回はクラブフロアに宿泊なのでスタッフの方に案内されて奥にあるエレベーターでクラブラウンジがある34階へ行きます。この通路も豪邸の廊下のような雰囲気です。
客室およびクラブラウンジに繋がるエレベーターホール。機械を感じさせないお部屋のような雰囲気。近年の新設ホテルでは中々見られない豪華さではないでしょうか。リッツカールトン大阪のエレベーターはこれまで泊まったホテルの中で最も心を打たれたエレベーターの1つです。写真では伝わりませんがエレベーターの到着を知らせるレトロで上品な鐘の音がフロアに響きわたり、上質な空間にいることを実感させられます。
クラブラウンジでチェックイン
34階クラブラウンジ前のエレベーターホール。フロア内にはクラシック音楽が流れており優雅な雰囲気を演出します。
「ホテルの中のホテル」ともいわれるリッツ・カールトン大阪のクラブラウンジは豪華な邸宅のリビングのような空間で、お酒やコーヒーなどのドリンクが振る舞われる他、朝食やアフタヌーンティーを含めた1日5回のフードプレゼンテーションが提供されます。客室とは異なるもう1つのお部屋で大阪の摩天楼を眺めながら優雅で落ち着いた時間を過ごすことができます。
入口左にはクラブラウンジ専用のコンシェルデスクがあり、こちらでチェックインやチェックアウトの手続きが可能です。15:30以降の入室でも良ければコーナールームにアップグレードも可能とご提案いただいたので、それまでクラブラウンジで過ごすことにしました。
準備が整ったらお席の方でチェックイン手続きを行うとのことだったので、一旦クラブラウンジ内に向かいます。
入口の右側には新聞や大阪にまつわる書籍が並べられています。日本語の他に英字の新聞や書籍もありました。お洒落なインテリアも飾られています。
テーブルに着席するウェルカムドリンクを頂きました。アルコールもありますが編集長はアルコールに強くないので、この後の撮影も考慮してノンアルコールを頂きました。
グラスにはリッツカールトンのロゴが印字されています。
スタッフの方からクラブラウンジの案内をしていただきました。リッツカールトン大阪のクラブレベルでは1日5回のフードプレゼンテーションが実施されます。全てに参加する必要はありませんが、今回は紹介の為に全プレゼンテーションに参加します。
フードプレゼンテーション | タイムテーブル |
---|---|
朝食 | 7:00〜10:00 |
軽食 | 11:00〜13:30 |
アフタヌーンティー | 14:30〜16:30 |
夕食前の前菜 | 17:30〜19:30 |
スイーツ&コーディアル | 20:00〜21:00 |
奥のフードプレゼンテーションエリアではワインやコーヒー、ソフトドリンクなどが用意されています。
クラブラウンジのサービスの詳細は下記記事で紹介しています。
ラウンジから客室へ
さて、お部屋の準備が整ったようです。今回のお部屋はクラブラウンジの1つ下の階にある3314号室。極甘のスイーツで胃を満たして客室フロアに向かいたいと思います。
33階の客室フロアのエレベーターホール。白を基調とした気品のある空間。
エレベーターフロアの端にはクラシカルなデザインの机や鏡が置かれています。
デスクの上には国内新聞と英字新聞、クラシカルなデザインの電話機などが置かれています。エレベーターフロアから既に豪邸の部屋の中にいるようです。
今回はこちらの角部屋にアサインしてもらいました。廊下の窓にもレースとドレープのカーデンがあり既にお部屋の中にいるみたいです。今どきのホテルで廊下の窓にカーテンってあまりないですよね。昔のホテルはお金かかっています。
それではお部屋を見ていきましょう。
クラブデラックス・スカイビュー・コーナールーム
今回はコーナールームにアップグレードしていただきました。
コーナールームは窓が2面になっており大阪のスカイビューを楽しむことができます。
方角は南東で真下には大阪駅前ビルや北新地、中之島方面などの景色が広がります。
ベッド
ベッドはツインでクイーンサイズ。壁には絵画のインテリアが飾られています。
テーブルには電話、メモ帳とペン、アラーム付き時計、Bluetoothスピーカー、ティッシュ、スタンドライトなどがあります。
ライトの明かりはこんなかんじ。
デスクにはUSB端子と外国人の方にも対応したマルチタイプの電源コンセント。室内照明の消灯ボタンも付いています。窓のカーテンは自動開閉になっています。
リッツカールトンの象徴でもあるコバルトブルーカラーのオットマン付きソファ。横のテーブルにはお菓子や雑誌が置かれていました。スタンドライトや空気清浄機もあります。
ベッドの正面には55インチの大型テレビ。テレビ番組の他にホテル案内なども見ることができます。
テレビ台の下にはDVDプレイヤーが収納されています。さすがに最近はもう見る人が少ないかも。
書斎デスク
続いて書斎デスク周りを見ていきましょう。角部屋の眺望を背景に重厚感のある書斎デスクに座って仕事をすると気分が高まります。
客室の家具はアメリカの高級家具ブランド”BAKER社”のものが使用されています。
BAKER社はホワイトハウスなどアメリカ大統領の執務室の家具なども手掛ける高級家具ブランド。さりげなく置かれている調度品の数々も実は非常に良い物が使われています。
机の端にはUSB端子・マルチ電源コンセント・LAN端子・AVケーブル端子などがあります。
引き出しの中には文房具セット・館内の案内冊子などが収納されています。
館内のレストランやバーなどの案内も入っています。
ミニバー
ミニバーはネスプレッソマシンや電子ケトル。
ミネラルウォーターも4本用意。
中段には湯呑やティーセット、上段にはアイスペールやタンブラーグラス。
引き出しの中にはワインやミニチュアウイスキ、ローストナッツやハリボーのグミ、黒トリュフのポテトチップスやゴディバのチョコレートなどが入っています。
下は冷蔵庫になっており、ビールやワインからソフトドリンクまで充実。
クローゼット
入口と部屋の間の廊下にはクローゼットがあります。
ナイトウェアやバスローブ、アイロンとアイロン台、ハンガー、金庫など。
リッツカールトン大阪オリジナルのセパレートタイプのパジャマ。
こちらもリッツカールトン大阪オリジナルのバスローブ、表の生地はしっかりしていますが、裏地は肌触りの柔らかいタオル地になっています。
棚の下段の引き出しには客室用スリッパが入っていました。
クローゼットの扉裏は全身鏡。
入口付近にも小物を置いておく机と重厚感のある鏡が備え付けられいます。ホテルに来てるというより家感のある雰囲気です。
洗面台・トイレ・お風呂
反対側の扉を開けると白い大理石の床と壁に包まれたパウダールームおよびバスルームになっています。
洗面台はダブルシンク。真ん中にはハンドタオルとAsprayの石鹸が置かれています。
ガラス板の上にはブルーコブレット。洗面台のグラスにしては少々大げさな気もしますが高級感があります。1階のブティックでペアセット6,050円ほどで同じものが買えます。他にもAsprayのボディローションやマウスウォッシュなどがあります。
壁には化粧鏡。
引き出しの中にはアメニティセット。
ヘアブラシ・カミソリ・シェービングジェル・爪やすり・シャワーキャップ・コットン・綿棒・サニタリーボックス・歯ブラシなど。
ドライヤーはNobby by TESCOM。風量や熱が少なくてもよく乾きます。
右側の壁にコンセントがあります。
ティッシュボックスとテレビ用のリモコン。
左側に鏡にテレビが埋め込まれており、身支度やバスタイム中にテレビを見ることもできる。
こちらはバスソルト。左からカモミール・ラベンダー・ローズの香り。
洗面台左の扉の中は個室トイレ。ウォシュレット式の電動トイレです。
こちらはバスタブ、洗面台とはカーテンのみで隔てるタイプです。水回りは少し古さを感じます。大きめの湯船に浸かりたい方は6階のスパパ併設のバスサウナやプール内のジャグリー施設を使う選択肢もあります。(MarriottBonvoyゴールドエリート以上はバス・サウナ無料)
扉にはもう1着のバスローブ、バスタオル等が掛けられています。
バスタブの反対側にはシャワールーム。バスタブとの洗い場一体型ではないので気になる人は注意。
こちらはレインシャワーのみ。
外国式みたいですね。レインシャワーの真下で温度調整は少々ハードルが高い。
バスタブとシャワールーム内にAsprayのシャンプー・コンディショナー・ボディソープが置かれていました。
お部屋の総評としては贅沢な邸宅のお部屋に住んでいるような気分を味わえる気品のある客室です。1997年開業のホテルということもあり機能面では古さを感じる部分もありますが、さりげなく置かれている調度品が一流の物だったり、内装やカーテンの品質など近年の新設ホテルではあまり見られない上質さを体感できます。上層階は眺望も良いです。ただバスタブやシャワーなどの水回りには古さを感じるので、水回り環境を重視する方は気をつけた方が良いかと思います。
ターンダウン
夜に部屋に戻ってくるとターンダウンサービスが行われています。掛け布団を取りやすいように捲られており、枕も横に寝かした状態になっています。足元にはマットが敷かれ、その上にスリッパが並べられています。
ベッド横のデスクには水とグラスが用意されています。
チョコレートが1人2個ずつ添えられています。
枕や布団などに吹きかけて使うピローミストも準備されています。リラックス効果があるので香りの好みに問題がなければ使用してみましょう。
窓のカーテンは閉じられていますが、夜景を楽しみたい場合は自動カーテンなので、ベッド横のコントロールパネルで開けてみましょう。
カーテンを開けると窓からは中之島方面の夜景を見渡すことができます。
真下には北新地などの夜景が広がります。
おやすみなさい。
スパ・プール・バスサウナ
6階ににある「ザ・リッツカールトン・スパ」には、ジム・プール・ジャグジーがあり宿泊者は無料で利用できます。プライベートロッカー付きのバスサウナはMarriottBonvoyのゴールドエリート以上であれば無料で利用できるそうです。
ジムエリアは24時間営業で着替えは客室で行う必要があります。プールは宿泊者は無料で利用できます。水着は有料でレンタルも可能で、スイミングキャップのみは無料となります。
プールサイドにはデッキベッドやテーブルが並びます。窓の外には屋上ガーデンや高層ビルが見えます。
屋外にはジャグジーもあります。屋内にもありますが気候が良い時期なら外もオススメです。
プールサイドにはデッキベッドもあります。
見上げると立派な明治安田生命ビルと梅田ダイビルがそびえ立ちます。西梅田周辺の上にこんなジャグジー付きの屋上ガーデンがあるとは地上からは中々気づきません。
プール横には都会のオアシスとも言えるような屋上ガーデンが広がっています。
シティホテルの屋外プールでここまで異国情緒あふれる絵画的な空間は珍しいのではないでしょうか。
スパ内のパウダールームはアメニティも充実しています。
グルメショップ・ブティック
1階にはケーキやチョコレートなどお土産に最適なギフトが販売されています。プラチナ特典のホテルクレジットなどは部屋付けにすることで使用できます。
こちらのブティックではリッツカールトン大阪オリジナルグッズなどが販売されています。
リッツカールトン大阪25周年記念のライオン人形が販売されていました。
他にもリッツ大阪のロゴが刻まれたオリジナルグッズがたくさんあります。
リッツカールトン大阪 まとめ
リッツカールトン大阪は1997年に開業し「ザ・リッツカールトン」ブランドを冠した日本第1号ホテル。外観はモダンなビルですが、手動の両開きドアから館内に入った瞬間、俗世間から隔絶された18世紀の英国貴族の邸宅をコンセプトにした世界観に誘われます。豪邸の客室に招かれたような重厚感のある内装、館内に流れるクラシック音楽、またたく間にゲストを非現実世界の住人にさせてくれます。
機能面では新設ホテルに劣る部分はありますが、床や壁、カーテン、一流の調度品など、1つ1つにお金をかけて作られた事がわかる重厚で贅沢な造りが魅力的です。近年の新設ホテルは装飾で表面だけ良く見せている部分も多く、良く言えばモダンでエコですが、悪く言えばコストカットの意図を感じさせる部分も多い印象です。現在は環境問題への取り組みが重視されるなど、ラグジュアリーへの価値観も変わりつつあり、このような指標で比較すること自体がナンセンスなのかもしれませんが、1997年当時と現在の経済的な豊かさの変化を感じさせる一面もあります。
今回は連休中の滞在だったこともあり、オペレーションが回りきっていないと感じる部分もありました。スタッフの方も正直かなり大変だったと思います。しかし、そんな中でも丁寧な接客の姿勢を一切崩さないリッツカールトン大阪のホスピタリティには感心させられました。サービスやブランドを育てる上で成功事例にあげられることも多いリッツカールトン。ホテル内におけるサービス・空間・商品など、あらゆる体験から学べる事が多いなと思いました。
「もう1つの我が家」として暮らすようにホテルで過ごしてみたい方は、一度はラウンジ付きのクラブフロアに宿泊してみることをオススメします。リッツカールトン大阪のクラシカルな世界観は近年の新規開業ホテルには中々ない唯一無二の魅力があります。
YouTubeでもホテル紹介動画を公開しているので、より詳細に見たい方は動画版もぜひご覧ください。